OPEN PROJECT — POST-INTRUSION PREP

不安から、備えへ。
高度AI時代の、最初の一歩。

Zee は、高度AI時代に防御準備が追いついていない組織と個人が、最初の一歩を踏み出すためのオープンプロジェクトです。侵入を防ぐ道具ではなく、盗まれにくくし、時間を稼ぐことを設計目標にしています。

無料・オープンソース(MIT)/全資料はこのリポジトリで公開
PROJECT STATUS — Early Public / Research Project
Zee is not a production-ready security product.
Zee does not guarantee protection, containment, prevention of data theft, or detection effectiveness.
Implemented (v0.16.0): entry gate (zee gate), decoy tripwires with opt-in containment (observe-only by default), containment-evidence export and incident-report bundle.
What has been verified, under which conditions, and what has not: docs/verification/
なぜ Zee があるのか

社会の不安を、少しでも減らしたい。

AIは素晴らしい技術です。しかし攻撃側もそれを使えます。問題はAIそのものではなく、社会の準備が追いついていないこと。Zeeが向き合うのは、攻撃能力の進化速度と、防御準備の普及速度の差です。

Zeeが有名になることが成功ではありません。社会が安定すれば成功です。誰かがより良い方法を作るなら、それでも良いと考えています。

次世代AI時代の備え

機械の速度で動く攻撃が現れた。

脆弱性の「発見」と「武器化」が、安く・速く・大量になっています。以下はいずれも、AIを開発するAnthropic自身が公表した数字です。

181 回
旧世代モデルが数百回中2回しか作れなかった攻撃コードを、新世代は動作する形で生成(FirefoxのJSエンジン検証)
27 年
専門家監査と自動テストを生き延びたOpenBSDの欠陥を、約1,000回の試行・総額2万ドル未満で発見
23,000+
横断調査で見つかった脆弱性候補。約50億台に影響する暗号ライブラリ欠陥(CVE-2026-5194)もこの流れで発見
出典:Mozilla との Firefox セキュリティ連携(181 回)/ Claude Mythos Preview(OpenBSD 27 年・約 1,000 回・2 万ドル未満)/ Project Glasswing(23,019 件・独立検証 1,752 件)
これらは攻撃側の能力を示す数字です。Zeeはそれを止める道具ではありません。Zeeが向き合うのは、攻撃能力の進化速度と防御準備の普及速度の差です。
Zee でできること

準備・設計・研究方向と、動く軽量 MVP。

現段階の Zee が提供するのは、以下です。

01 / DOC

Starter Guide

何から考え始めればよいかの最初の一歩。不安の整理・「絶対盗まれたくない情報」の棚卸し・検知体制の現在地確認・復旧手順の言語化など、6つの起点。

→ STARTER_GUIDE.md
02 / DOC

Architecture 概要

設計の意図と各構成要素の役割。実装の現在地(どの層が動き、どの層が研究段階か)も併せて公開。

→ ARCHITECTURE.md
03 / DOC

Research note

研究方向としての CDS とアフィンコラッツ研究。暗号学的保証ではなく、罠多様化(trap diversification)のオープンクエスチョンとして扱う。

→ RESEARCH.md
04 / CODE

MVP 実装

軽量な囮トリップワイヤ+自動封じ込め。クロスOS(Linux/macOS/Windows)対応・既定 dry_run。実遮断は資産プロファイルで明示昇格して初めて動く。

→ src/zee/
次世代AIの脅威に不安を感じている事業者の方へ — 専門用語を最小化し、§03 の基本対策/§06 の併用すべき 4 層/§07 の公的な相談窓口まで案内した 事業者向けガイド を用意しました。読了 30 分。最初の一歩はここからどうぞ。
入口ゲート — 入れる前に、見る

AIスキル・MCP・パッケージを、
インストールする前にスキャン。

公開されている AI スキルや MCP サーバー、npm / PyPI パッケージには、エージェントを外部へ開かせるプロンプトインジェクションが仕込まれていることがあります。いま最も大きい攻撃面の一つです。Zee の入口ゲートは、導入する前にその成果物を隔離下で静的に検査し、不審な指示・過剰な権限要求・既知の脅威リスト該当を洗い出して、入れる/入れないの判断材料を返します。

# 導入前にスキャン(Claudeスキル / MCP / npm / PyPI / VS Code拡張を自動判別) zee gate add ./some-skill # 既存スキャナ(Semgrep / SARIF: Snyk・CodeQL 等)の結果も取り込んで合算 zee gate add ./pkg --import-scan report.json # 配布後のすり替え(Rug Pull)を後から監視 zee gate audit

静的検査であり、すべての悪意を検出できるわけではありません(正直に)。Semgrep / Snyk / Socket を置き換えるものではなく、それらと併用する一層です。GitHub Action として CI / pre-install に組み込めます。詳細は docs/gate.md / 脅威リストの形式は docs/threat-list.md を参照してください。

MVP — 動く囮トリップワイヤ

既定 dry_run。明示昇格まで実遮断はしない。

Zee は侵入を防ぐ層ではなく、侵入後に狭く高信頼な検知信号(囮への接触)を1本足す層です。「あなたの検知体制全般」を肩代わりするものではありません。

# 1. インストール(タグを固定して1行で) uv tool install "git+https://github.com/KAMANOI/zee@v0.16.0" # 手元で開発する場合: git clone https://github.com/KAMANOI/zee.git && cd zee && pip install -e . # ※ pip install zee / npx zee は別の作者の無関係なパッケージです。使わないでください # 2. 資産プロファイルを作成(観測のみ・既にあれば上書きしない) zee init # 編集して decoy_paths を自組織のパスに置き換える # 3.(任意)macOS / Windows での「読み取り検知」を有効化(監視開始の前に) # 外部 webhook 受信器(Canarytokens.org / 自前 / Lambda 等)の URL を渡す export ZEE_CANARY_BASE_URL="https://your-receiver.example.com/r" # 4. 復旧トークンを 1 回だけ生成(v0.3 以降必須) zee init-restore-token # 表示されたトークンを安全な場所に控える zee doctor # 読むだけの自己診断。足りない所に次の手順を表示 # 5. 監視開始(既定は dry_run、実遮断なし) zee -c ./assets.toml watch # 6. 別ウィンドウで「攻撃者の改ざんを真似て」囮を書き換える echo "tampered $(date)" >> ~/.local/share/zee-decoys/.env # → 変更系の接触として 3 OS 共通で高信頼イベントを記録します。 # Linux では `cat <decoy>` の読み取りだけでも記録します。 # macOS / Windows の読み取りは ZEE_CANARY_BASE_URL 設定時のみ # 観測されます(埋め込んだ canary URL が外部受信器で発火)。 # 7.(遮断が走った後)復旧 zee restore <asset_id> --token <TOKEN> # または環境変数経由:ZEE_RESTORE_TOKEN=<TOKEN> zee restore <asset_id>

検知能力マトリクス

OSBackendopenreadmodifycanary fallbackstatus
Linuxinotifyyesyesyesnoimplemented
macOSkqueue
[+ canary if configured]
nonoyesyes (when configured)implemented
WindowsReadDirectoryChangesW
[+ canary if configured]
nonoyesyes (when configured)implemented
(Windows 実機未検証)

macOS・Windows は OS の制約で「読み取り検知」が直接できません。環境変数 ZEE_CANARY_BASE_URL に外部 webhook 受信器の URL を設定すると、seeder が囮ファイルに canary URL を埋め込み、攻撃者がその URL を辿った瞬間に外部受信器で発火します(Zee 本体には戻りません・out-of-band)。未設定では canary URL は埋め込まれず、macOS / Windows での「読むだけ」の攻撃は観測されません(既定で安全側)。Linux は inotify が読み取りも直接観察するので canary 不要です。
受信器の例:Canarytokens.org(無料・推奨)/自前 Cloudflare Worker・AWS Lambda・Vercel Edge Function 等。

仕組み

意図する5つの層と、実装の現在地。

それぞれが単独でも働く設計を意図しています。実装状況はそれぞれ正直に表示します。

01

ふるまい観察(囮トリップワイヤ)

選ばれた囮ファイルへの接触を観察。Linux は read 含む直接観察、macOS・Windows は変更観察+canary フォールバック。

IMPLEMENTED
02

番人(トリガー限定)

誤作動の最小化は「配置ガイド」+「変更系操作のみ自動遮断」の 2 層で行う。プロセス allowlist 路線は v4 で撤回(現バックエンドはプロセス特定不可で false sense of safety を生むため)。

IMPLEMENTED
03

偽データへのリダイレクト

特定の構成において、選ばれたアクセス試行を目印つきの偽データへリダイレクトまたは置換できる。

RESEARCH
04

偽内部ネットワーク

本物そっくりの偽環境で探索のコストと時間を引き上げることを目指す。

RESEARCH
05

長期相関

数ヶ月スパンの潜伏型攻撃を時間をまたいで結びつけて検知する研究方向。

RESEARCH
カバレッジ

何を守り、何を守らないか。

※「防御率○%」のような数字は出しません。実環境はそれほど単純でなく、誇張は信頼を損なうためです。

対応する
  • 侵入後の異常検知(囮への接触=高信頼イベント)
  • OS別の自動封じ込め(full / egress・既定 dry_run)
  • レイテンシ・op_class(read / change)・誤検知マーカーの計測(decoy_ref で位置匿名化)
  • 誤作動の最小化(配置ガイド + 変更系操作のみ自動遮断)
  • 能力マトリクスでの正直な OS 別開示
  • 検知・遮断の記録のエクスポート(zee export・ローカルへの書き出しのみ、送信しない)
対応しない(正直に)
  • 侵入そのものの阻止入口防御(ファイアウォール・EDR・パッチ)の役割。Zeeは置き換えではなく補完
  • あなたの検知体制全般の肩代わりZeeは「狭く高信頼な信号」を1本足す層
  • ネットワーク層での攻め返し(C2汚染)現時点では未実装
  • 脆弱性の修正・パッチ適用Zeeは検知と無力化の層。修正は別途必要
誤作動を防ぐ設計

正規の社員を“攻撃者扱い”しないことを最優先に。

侵入後で作動する層の最大のリスクは、正規のプロセスや社員を誤って罠に引き込んでしまうことです。Zeeはこのリスクを最小化することを目指します(「ゼロ」は約束しません)。

  • 検知と引き込みの間に二重の安全装置を置く。
  • 「誤作動の最小化」と「重大な攻撃の検知」という相反する要件を、1つの仕組みに詰め込まず役割を分けて両立。
  • 判定は AI の裁量ではなく確定的なルールで行う。
  • 初期は全資産 dry_run。誤検知ゼロを観測してから資産ごとに昇格する運用を Starter Guide で案内。
プライバシー

取得しない設計。

将来 IP 取得経路を追加する場合の方針(末尾オクテット切り捨てを第一候補とし、ハッシュ化は逆引き耐性が崩れるため採用しない)は ARCHITECTURE.md を参照してください。

Limitations — Zee がやらないこと

失敗条件を先に書いておきます。

これは床であって天井ではありません。安全だと言う前に、失敗条件を先に書きました。
全 Limitations は README の Limitations セクション を参照してください。

みんなで防災 — Defense by everyone, for everyone

Zee は seed 型 OSS。育てるのは皆。

Zee はメンテナがリファレンス実装と設計を公開して終わりにする seed(種まき)型 OSS です。あなたの環境で動かす、OS の更新に追従させる、業種に合わせて改造するのは 各自。一人の管理者が永続的に全 OS を追従する OSS のメンテナ疲れ問題から最初から外れます。

代わりに、修正の知恵を皆で共有する場 が用意されています。次に同じ問題に当たった人の作業を 3 時間 → 30 秒 に縮めるのが目的です。

🔧 Maintenance Q&A

「動かない」と「直し方」を共有

OS の更新で動かなくなった・自分の環境で動かない場合の事例とパッチを集約。Discussions で検索可能。

🌱 Show your fork

業種別の使い方を共有

美容室・小規模 EC・士業・町工場など、自分の業種でこう使っている、こう改造したを書き残す場所。

📚 Wiki

安定したナレッジ

OS 別メンテ手順・動作確認済み環境・業種別ガイド。誰でも編集できます。Discussions で議論された内容が安定したらここに整理。

🤖 docs/maintenance/

AI 修正用の指示書テンプレ

環境別の修正指示書を Claude / Cursor / Copilot に渡せば、修正パッチが生成されます。フォークに適用して、結果を Discussions に書き残してください。

運営モデルの詳細は CONTRIBUTING.md を参照してください。Zee 本体に PR を送らなくても、Discussions に書き残すだけで「みんなで防災」への貢献になります。

⚠️ 投稿前に何を貼って何を伏せるかは SECURITY.md → Shared vs. private logs をご確認ください。events.jsonl や assets.toml、ZEE_CANARY_BASE_URL などは公開対象外です。
入手

全部この場で、オープン。

Zee は MIT ライセンスのもとで、すべての文書とコードを GitHub で公開しています。クラウド契約や外部サービス登録は不要です。

免責 — 正直にお伝えすること

万能ではありません。Zee は“もう一層”です。

  • Zee は現在 Early Public / Research Project(v0.16.0)の段階で、MIT ライセンス・無保証で提供します。本番導入の前に、ご自身の環境での検証を推奨します。
  • 侵入そのものを防ぐものでも、すべての攻撃を検知できるものでもありません。
  • 機械速度の攻撃能力は進化を続けます。新世代モデルが広く使える局面では、Zee 自体の脆弱性チェックとパッチ適用が必要になります。
  • 入口防御・修正運用を置き換えるものではなく、補完する一層です。
支援

無料で使えます。応援は任意です。

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